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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅
大変なことをしでかそうとしている自覚はあるようだ。
レオが主賓のパーティーであるなら、王国の有力な貴族が数多招待されているはず。そのパーティーにレオが突然欠席するとなれば、資格剥奪はともかくとして、問題視されるのは間違いない。
「そう深刻な顔をしてくれるな。今のは最悪の場合ってだけだ。ただどうしても行けってアリエッタが言うなら行く。ただし……キミも一緒なら」
──やられた、と思った。
ナキラが慌ててアトリエに飛び込んできたのにも関わらず、笑顔で去っていったときからおかしいとは思ってた。
アリエッタに説得を任せると言ったジョシュアやナキラの言動から、二人はグルだったのだ。
アリエッタをパーティーに行かせるための策略に気付き、先ほどまでの鬱怏〈ウツオウ〉とした気分は呆れに塗り変わる。
「どうだ? 行く気になったか?」
どこをどう取れば行く気になると思えるのか。
「……レオはどうしてそこまで私を行かせたがるの?」
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