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隠匿の令嬢
第12章 檻の邸


「その寄宿舎に手違いがありまして。偶然そこに私が居合わせたので、彼女を引き取ることにしたんです。ああ、ご連絡差し上げなかったのは、私の指示ですよ。なんせ寄宿舎は私の管轄です。失敗を隠しておきたかったのですが、悪いことはいつまでも隠し通せないものですね」


 レオはいつもの調子で嘯く。父はアリエッタが寄宿舎を出るに至った経緯を知りはしないが、関わっているリリスは気が気じゃないだろう。


「そのようなこと……。殿下のお手を煩わせて申し訳ない。……アリエッタはすぐにでも家に戻します」


「それには及びません。このまま彼女は私がお預かりします」


「しかし……!」


「公爵。これには訳があります。彼女には私の肖像画をお願いしてまして。対象者が近くにいた方が、絵も進むというものです」


「アリエッタが殿下の絵を?」


「はい。もちろん、客人として丁重にもてなしておりますのでご安心ください。ですが、近々彼女と共に正式にご挨拶に伺っても? 大切な娘さんをお預かりするのですから、どうか公爵のお邸に伺わせてはもらえないでしょうか」





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