この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第12章 檻の邸



****


 王城のゲストルームでアリエッタはソファーの座面に腰を降ろし、茫然としていた。


 ゲストルームも贅〈ゼイ〉を凝らし、重厚ながらも華やかさに溢れ、調度品ひとつ取っても洗練されていた。


 だが今のアリエッタに周りの風景は視界に入ってない。父の迸る威圧感とリリスの滾る憎悪に当てられ、身体がひどく重く冷たい。



 ──あの邸に来週行くのね。


 レオの申し出を父は受け入れた。王太子に逆らえる人物など国には一握りしかいない。無下に出来るはずはない。



「アリエッタ。お茶を持ってきた。呑むといい」


 疲れた彼女を休ませるという名目で、レオも父とリリスとの会話のあと夜会を抜け出した。


 主賓が途中で抜け出すのはあまり良くないだろうが、レオはあとは皆好きにやるさと言って一緒に来てくれたのだ。



「ありがとう……」


 ぼんやりとしているも、レオから紅茶を受けとる。まだ震えている手の中で、カップがソーサーの上でカタカタと踊る。





.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ