この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第12章 檻の邸


 揺れるアリエッタをレオが抱き上げる。


「アリエッタ。なにも考えるな。……俺が考えなくさせてやる」


 運ばれた先は寝台だった。


「レオ、待って。私……」


「なんだ? 俺が今日一番楽しみにしてたことを奪うのか?」


「それは……」


 冗談めかして言われ、口ごもる。


 そうだ。今日はレオが祝福される日だ。これ以上、彼に心配させてどうするというのだ。


 アリエッタは悲哀も憂いも、恐怖さえ胸の内に閉じこめ、小さく困ったような笑みを向ける。


「ドレスを脱がす……楽しみ?」


「ドレスは包みだ。大事なのは中身だろ?」


「もう……」


 キスの気配に泣き出しそうな瞳を瞼に隠す。



 初めての夜を彷彿とさせる、優しく甘い蕩けるようなキスが降り注ぐ。


 額に瞼に、頬や鼻先、そして唇。


 彼が言ったよう、レオの腕の中にいるときは、なにもかも忘れられる。


 痛みは伴うけれど……忘れた反動で更なる闇が待っているけれど。


 レオが笑顔でいてくれるなら、それでいい──。







.


 
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ