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隠匿の令嬢
第12章 檻の邸
ベッド上でのレオは美しい獣だ。
巧みにテリトリーへと獲物を誘い込み、追い詰め、恍惚のうちに仕留められる。
橙色のランプの光でしなやかな肢体に陰影を落とす獣が今宵も隠す牙を剥き、獲物の外も中も蹂躙し、快感に手懐けていく。
緩やかな蠕動〈ゼンドウ〉は浅いところばかり狙い、欲する場所にはなかなかくれない。
「レ、オ……レオ……ッ、そ、れっ……やぁ……」
一度奥まで迎え入れたきり、届きそうで届かないもどかしさに肉襞が切なく疼く。
足を固定され自ら動くのもままならず、ぬるい責め苦に耐えるしかない。
「どうして欲しい? 素直になればアリエッタの望むまま俺をくれてやるぞ」
琥珀の瞳を意地悪そうに眇め、そのくせ口許は甘やかに弧を描く。
心はくれない。与えられるのは肉欲だけ。
解ってはいても、アリエッタは心を軋ませる余地がないほど目の前の肉欲に溺れていた。……否、溺れさせられた。
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