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隠匿の令嬢
第12章 檻の邸
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レオの誕生パーティーが開かれてから王都国立学校はアリエッタの話題で持ちきりだった。
それはアリエッタの容貌が変化したとき以上のもので、噂はパーティーに招かれてない生徒の間にも瞬く間に広がっていたのだ。
アリエッタがザキファス公爵の娘であること。レオの邸に身を置いていること。
そのセンセーショナルな話題を生徒たちは憶測も踏まえ、面白おかしく噂した。
ただパーティーに招かれた者のなかには、本気で彼を射止めようとしている令嬢もいて。彼女たちが口を揃え「友人だとレオナルド様本人がおっしゃってたわ」と言って回るものだから、アリエッタとレオが特別な関係にあるのでは、という噂はいつしか鎮火した。
だがアリエッタの素性については、憶測が憶測を呼び、公爵が外に作った子ではないかともっぱら真実のように語られた。
『ベオグラード』と『ザキファス』。
ファミリーネームの相違がそうさせたのだ。
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