この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第12章 檻の邸
「あのな。俺が躍起になればなるほど噂を煽るだけだろ? 静観する期間があったほうが、みんなの興味も逸れてくだろ」
「まぁね。で、こっからがあたしたちの出番ってわけ。ね、ニーナ」
「ふふん。あたしの名演技、アリエッタにも見せてあげたかったわ」
アリエッタとレオの関係性の噂が鎮静化するのを待ち、ニーナとセドリックがタッグを組んで今度は素性に関しての一計を案じた、というのだ。
「名演技?」
「そっ。ま、半分本気だったけど」
「あれは凄かったな。周りは完全に怯えてたぞ」
「あたしも女性を抑えるの、あれだけ大変だった経験はないわ」
三人は可笑しそうにしている。なんのことかと説明されると、立ち会ってないアリエッタが冷や汗をかいてしまうものであった。
簡潔に言えば、アリエッタの親友として噂になるようなことに巻き込み、放置しているレオに憤り、ニーナがサロンに怒鳴りこむ、という騒動を起こしたらしい。
.