この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第12章 檻の邸
翌日からはニーナの馬車に乗り合わせるのではなく、アッシュブランの紋章が刻まれる馬車でレオとともに学校へ通うことになった。
ニーナたちが起こした騒動も瞬く間に広がったらしく、好奇の視線を投げられはしても、レオが以前危惧していたような嫉妬からの嫌がらせは受けなかった。
これにはアッシュブランとザキファス両家の威光もおそらく影響してるだろう。
公爵といえば爵位の中でもトップの地位。いくら学校内での出来事は学生たちで解決するという規律があっても、気にしないのはニーナくらいのものだ。下手に手を出せば、痛い目を見るのは明らかだ。
なによりレオへ告げ口でもされ不興を買えば、この先社交界で生きていくのは難しい……というのが概ねの考えだろう。
ニーナがあとからこっそり教えてくれたが、すべて画策したのは実のところレオであった。
「あたしたちはレオナルド様から頼まれただけ。喋るなって言われてたけど、伝えておいたほうがいい気がして」
と、二人きりの時に話してくれたのだ。
.