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隠匿の令嬢
第12章 檻の邸
「週末、実家にレオナルド様と帰るんでしょ? それもきっとなにかレオナルド様にお考えがあるのよ」
ザキファス邸に訪れる話も広まっていて、ニーナも聞き及んでいた。
「そう、ね。でもお父さまやリリスは私を戻したがるわ。いつまでもこのままにしておくとは思えないもの……」
「大丈夫よ。レオナルド様が一緒にいてくださるんでしょ?」
「えぇ。それでも私、お父さまたちの意向に従うつもり」
「アリエッタ!」
戻れば学校へはもう通えないことも、修道院へと行かされることもニーナは知っている。だから悲痛な声を上げたのだ。
「もちろん、まだ決まったわけじゃないわ。私、ニーナと離れたくないの。それに絵を描ききるまでは……」
レオの傍にいたい、という言葉は寸でで呑み込んだ。
レオへの気持ちはニーナにも口にすべきでないと思ったから。
「あたしは断固反対よ。どこへも行かせないから」
ギュッと抱き締められ、アリエッタも同じだけ抱き締め返した。
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