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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密
「夜会でもお話しましたが、彼女は今、私の邸でお預かりしています。このままお預かりしても構いませんね?」
レオの穏やかな口調が肌を滑っていく。
レオやニーナ、セドリックやナキラたちからもらった力をこの邸が吸い取り、奪っていく。
『罪を思い出せ!』と邸全体が叫び、アリエッタの良心に訴えかけていた。
「そのことですが……。妻ともよく話し合い、やはり結婚前の娘がいくら殿下の絵を描くためであっても、男性の邸にいるというのはこの子にとっても良いことだとは思えないのですよ」
「なるほど。つまり彼女の将来を心配している、と」
「ええ。それにアリエッタだって、余所様のお邸にいるのは何かとを気を遣うだろう?」
鋭い眼差しだけ残し、口角だけ持ち上げて話す父にゾクリと背に冷たいものが走る。
カラカラになる喉をこくりと動かし、アリエッタが口を開きかけると。
レオがスッと手を掲げ、遮った。
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