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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会



 レオの与える甘い責め苦に耐え兼ね恐怖で身体を強張らせると、それを察したかのよう解放される。


 アリエッタの息は上がり、レオの腕が包み込んでいなければ今にも崩れ落ちそうだ。


「どう、してこんな……ことを? 私はお断りしたはずです。それにあなたのような方が私みたいな女に触れるべきではありません」


「私のよう、と言うと?」


「レオ……様は高貴なお方でしょう?」


 レオが着ている上着は上質で、身のこなしも優雅。纏う空気も気品に満ちている。上流階級の、それもかなり高い地位であるのは明らかだ。


「あなたは面白い人ですね。この期に及んで私の心配ですか? ご自分の身ではなく?」


「私はからかわれても虐げられても仕方ありません。でも、このようなことは困ります。先程も申しましたが」


「神に嫁ぐ、からでしたね?」


 アリエッタの言葉尻を引き継ぎ、レオは眼を眇た。





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