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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密



「ああ、申し訳ない。火傷の痕に対する“安心”ではありませんよ。ただ、デリケートな話でしたので、正直どう切り出そうか迷っていたのです」


 レオの口調ではまるで……。


「知って……いたの?」


 そんなはずはない。そう思いながらも、動揺を一切見せない彼の姿は知っていたとしか考えられない。


「はっ、白々しい」


 レオが答える前にリリスが悪態を吐く。


「そういうことですか。どうせお姉さまはご自分の都合のいいように、殿下に吹き込んでらしたのでしょ?」


「違いますよ。彼女は過去について私に何も話しませんでした。もちろん公爵の娘であることも」


 レオが間髪入れず、否定する。


「それに自分に都合のいいように事実をねじ曲げているのはリリス嬢。あなたではないですか?」


 突然のレオの糾弾に、この場のレオを除く全員が硬直した。







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