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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密
「誰だ、貴様は!?」
ジョシュアの登場に、いよいよ苛立ちを我慢しきれなくなった父が怒声を浴びせる。
「彼は私の執事です。誠に勝手ながら、こちらのお邸に少々強引な手段で入らせていただきました。そうだな?」
「はい。騒がれては面倒でしたので、何名か暫く眠っていただきました。ですがご安心を。すぐ眼は醒めるでしょう」
「殿下! これは一体……! 事と次第によっては問題にさせてもらいますぞ!」
「構いません。ですがその前に、今から呼ぶ者の話を聞いてもらいます」
レオが視線で父を黙らせる。
「ま……待って。レオ……なにを考えてるの?」
これまで成り行きに身を任せていたアリエッタが口を挟む。
予想外の出来事に思考がついていかない。
これからレオがなにをしようとしているかも、さっぱりだ。
だがなぜか不吉なことが起こるような……。心臓が早鐘を打つ。何に対する警鐘かも解らないが、止めなくてはならない気がするのだ。
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