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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密
「悪いな、アリエッタ。もう少しで終わる。だからキミも黙って俺に任せて欲しい。そして向き合うんだ」
「終わるって……向き合うって?」
アリエッタは漆黒の双眸を揺らし、レオを見詰める。けれどレオはアリエッタから視線を外し、ジョシュアに頷いて合図を送った。
ジョシュアは一旦下がり、再度姿を見せたときには3人の女性を引き連れていた。
「お前たち……こんなところで何をしておる!」
父が怒鳴るのも当然だ。三人の女性は邸の使用人──正確には一人は元使用人で、残りはコックを勤める者と侍女であった。
普段、客人の前には出ていけない者たち。その者が顔を揃えて出てきたのだから、怒られても仕方のないことである。
「私が呼んだんです」
「殿下が……?」
「はい。歪められた事実を正す証言をしてもらうために、どうしても彼女たちに来てもらう必要がありました」
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