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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密



「あのときお止めすべきでしたのに……。リリスお嬢さまのご不興を買えば……!」


 彼女の言わんとするところは、痛いほど伝わる。リリスを可愛がっていた父が恐ろしかったのだ。


「アリエッタお嬢さまがあれより虐げられる姿を見てきて、何度も打ち明けてしまいたかった! ですが……時間が経てば経つほど言えなくなってしまい……。申し訳ありません……!」


 床に平行になるほど頭を下げる女。アリエッタはかける言葉が見つからない。


 責めてなどいない。寧ろ偶然だとしても会話を耳にしてしまい、持たなくていい後悔をさせてしまっていたことに心が痛む。


「謝罪はのちほど。では次にアリエッタ様をどこで見掛けたか、話してもらえますか」


 元使用人の女の横に震えて立つ侍女にジョシュアが淡々と指示する。



「は.…はい」


 彼女もまたたどたどしく話し出した。







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