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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密
「し……知らないわ。私……覚えてません!」
「そうですぞ! この子は当時5歳です。それを根拠もなく責めるなど……。あんまりではありませんか?」
「それはおかしいですね。ではなぜ彼女たちの証言を止めようとしたんですか? 覚えてないならば、あれほど取り乱す必要はなかったのでは?」
リリスを追い詰めるレオ。静かな声色がリリスの恐怖を煽っているようだった。
「もうやめて! レオ、お願いだから……。リリスはなにも悪くないの。私が無理にでも止めてたら、リリスは怪我をせずにすんだの」
アリエッタの根底にある罪悪感はここからきていた。アリエッタが誘惑に負けたりさえしなければ………。
コックを庇ったときも、記憶が奥底に眠る前も。そう己を責めた。
アリエッタがレオに縋り糾弾をやめさせようとしているとき。リリスから恐怖の色が怒りへと変貌した。
「……そうやっていっつもいい子ぶって……」
リリスが低く唸る。
「ええ、そうよ! 覚えていたわ! お姉さまが憎らしかったの! だから私、お姉さまの居場所を奪ってやったのよ!」
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