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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密
「離して! なにも聞きたくないわ! どうせ笑い者にしにきたんでしょ? すべて露見して、私はもう終わりよ!」
「そんなことないわ。リリス、終わってないの。これが私たちの始まりなの」
暴れるリリスをギュッと抱き締める。振り回す手が顔を打つが、離すものかと尚も力をこめた。
「始まりですって? 笑わせないで! お姉さまはいいわよね。殿下に守られ」
「ライアンが好きなのね?」
リリスを遮り、彼女の耳元で囁く。するとリリスは暴れるのをやめ、息を呑む。その彼女を反転させ、顔を覗き込んだ。
「そう、なのね?」
「……だったらどうだって言うの!? ライアンはお姉さまのことが……!」
目元を赤くし睨むリリスに首を振る。
「誤解よ。ライアンは私を好きじゃないわ」
「でも……! いっつもお姉さまとばかり愉しそうに話してたわ!」
ポロポロと涙を零すリリスの手を取った。
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