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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密
「ま、まさか……あの男が……!」
「どうされました? それほど不思議ではないでしょう。そうそう、今後の話の続きですが……彼女たちの解雇はもう話しましたね。ジョシュア。彼女たちの荷造りを手伝ってやれ」
「か、勝手なことをしてもらっては困りますな! ここは私の邸ですぞ! その前にその男を不法に侵入させたあなたの責任を問いたいですな」
いよいよ化けの皮が剥がれてきだした公爵は、眼を血走らせ、誰に指を突き付けているかも解ってないようだ。
「責任、ですか。いくらでも負いますよ、そんなもの。ですが私も公爵の責任を問わなければなりませんが、よろしいですね?」
「私の責任ですと? なにを馬鹿馬鹿しい」
公爵は吐き捨てるように言う。
馬鹿なのは公爵だと言ってやりたい。アリエッタの父でなければ、すでにそうしていただろう。
「あなたは再三に渡る国からの要請を無視し、アリエッタの入学を遅らせた。そしてあろうことか教授陣のトップを買収し、名を偽らせた。まあ、彼女はそんなこととは夢にも思ってないでしょうが」
悠然と公爵の罪を連ねれば、顔色を変えた。
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