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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密


「レオはわざと悪役を買って出てくれたんでしょ?」


 アリエッタに求愛してると言ったとき、初めは父の性格を見抜き、アリエッタの立場を良くするためだけと考えた。


 しかしもしかすると、あの一言をきっかけにリリスの本心を引き出そうとしたのかもしれない。


 そしてリリスを追い詰め、すべてをさらけ出し、アリエッタと彼女の和解の機会をつくってくれたのだ。


 アリエッタにとって、彼がどこでアリエッタのことを知り、内情をも掴んでいたかは重要ではない。


 結果的に家族との絆を……そのきっかけを掴めた。それがすべてだ。


「キミは俺を過大評価しすぎだ。そんないいものじゃない」


「それでも感謝してるわ」


「それなら言葉じゃなく、別の方法で気持ちをいただきたいものだな」


 レオが悪戯っぽく微笑む。


「別の方法って?」


「そうだな……。たとえばアリエッタからキスしてくれると嬉しいんだが」


「えぇっ!?」


 とんでもない提案に、思わず素っ頓狂な声が出てしまう。






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