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隠匿の令嬢
第13章 知られざる秘密


「舌を出して」


 耳を抑え、口をパクパクさせるアリエッタにレオが言う。出来ないと小刻みに首を振り、無言で訴えれば「じゃあ俺からしようか」と囁かれ。つまりは先もあると匂わすレオに、渋々従うしかない。


 アリエッタはおずおずと赤い舌を小さな口から覗かせ、レオの唇に触れると招き入れられる。


「ん……っ」


 普段とは逆の口づけに戸惑いつつも、興奮してしまう。


 レオの口づけを思い出し、同じことをしてみる。


 舌を絡め、歯列をなぞり、敏感な上顎を舌先で擦る。


 熱い口腔に含まれた舌が熱をもち、ひどく卑猥な気分になる。


「ンンッ……!」


 そろそろ引っ込めようとすれば吸い上げられ、くぐもった甘い声が洩れてしまう。


 クチュクチュと唾液の絡まる音が馬車の滑走する音に混じり、肉厚の舌に擦られると思考が痺れる。


「……悪い。やっぱり我慢できそうにない」


 唇が触れあったまま囁かれ、理解する前にレオの大きな掌がアリエッタの乳房を包み込んだ。





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