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隠匿の令嬢
第14章 束の間の幸福と崩落の足音


 普段のアリエッタは清楚そのものだ。


 幾度彼女をこの腕に閉じ込め、乱し、淫らな身体へと塗り替えてきたのに。


 レオの腕にいないときのアリエッタは男を知らない乙女の顔で。抱こうとすれば恥じらいは常。


 だが、いざ事に及んでしまうと艶かしく。彼女は図らずもレオを誘惑する行動に出たりもしてくるから、質が悪すぎる。


「ドレスは脱がしてやるから、大人しく寝てろ」


「私、眠たくないですよ?」


 小首を傾げる彼女にまた溜め息が出る。


「いいから言う通りにしろ」


「はい……」


「眠るまで傍にいるから」


「はい」


 しゅんとする彼女に付け加えれば、パッと顔を輝かせる。


 ドレスの紐をほどき、徐々に露になる肢体。酩酊していても恥じらいは残っているのか、アリエッタは伏せ眼がちに視線を伏せ、豊満な乳房を腕で覆う。


 全てを剥ぎ取ると、なぜか不満げな眼差しを送られた。






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