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隠匿の令嬢
第14章 束の間の幸福と崩落の足音



 酔った女性になんてことを……と理性が訴え掛けるも、甘美な口づけを繰り返していると、理性は身を隠してしまう。


 燻っていた滾りに呑み込まれ、彼女の唇を貪る。


 アリエッタの唇も舌も甘い唾液も、媚薬だ。


 可愛らしい小さな舌を絡めとり、吸い上げてももっと欲しくなる。


「あ、んん………っ」


 息苦しいのか眉を寄せるアリエッタも艶めいていて、洩れる吐息も悩ましい。


 何度も角度を変え、逃げる舌を追い、上顎を擦るとアリエッタは肩口を揺らす。


「レ、オ様……くるし……」


 息継ぎもままならないほどに貪ってしまっていたせいで、薄く開いた瞼から半分だけ漆黒の瞳を覗かせ、アリエッタが喘ぐ。


 解放する前に唇を舐めてやると物欲しそうな顔をした。


「次はこっちに口づけさせてくれ」


「あっ……!」


 囁いてから弾力のある乳房を手で掬い、薄桃色の乳首をねっとりと舐め上げた。






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