この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第15章 病みゆく心




(──え?)


 アリエッタは唐突に起こった現象に瞬いた。眼を擦り、再度テーブルに並べる絵の具を見遣ると元に戻っている。


(今、一瞬色が……)


 アリエッタに起こった現象。それは絵の具も周りの景色さえ色味を無くした気がしたのだ。


 匂いや味に敏感な人がいるよう、アリエッタは色に敏感だ。


 赤ひとつにしても黒であっても、微妙な色合いの違いを見分けられる。


 そのアリエッタが色が見えなくなるはずない。


 いや、あってはならない。


 アリエッタを慰めてきたのは絵と、そして溢れかえる色彩なのだから。


 だがこの現象はこの後頻繁に起こることになる。


 アリエッタが不安定になればなるほど、淋しさを感じれば感じるほど。


 まるで世界がアリエッタを拒絶しているかのよう、またはその逆であるかのよう。


 けれどもそうなっても、アリエッタは誰にも胸の内を明かさず、いつも以上に笑っていた。






.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ