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隠匿の令嬢
第15章 病みゆく心



「アリエッタ。あたしたち友達よね?」


「もちろんよ」


「ならどうして隠すの?」


「隠してなんて……。それが真実だもの」


 アリエッタの良心が嘘を言っていることに痛む。けれどやはり認められない。


 真実を明かせばレオに迷惑がかかってしまわぬとも限らないからだ。


「……わかった。アリエッタがそう言うなら、今はこれ以上追及しないわ。でもどうにもならないくらい辛くなったら必ず言って。あたしは今までもこれからだってアリエッタの味方だからね」


「ニーナ……。ありがとう」


 ニーナの真摯な態度に心が震え、また良心が痛む。







 その日。重たい鉛を抱えたまま学校から邸に帰ると、出迎えたナキラがレオの帰宅を知らせてくれた。


「さっきお帰りになられたばかりです。お部屋にいらっしゃいますから、行って差し上げてください」


 弾むように言われ、アリエッタも調子を合わせて嬉しそうにしてみせた。




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