この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第16章 灰色の世界
「あまり俺を煽るな。めちゃくちゃに壊したくなる」
唇でアリエッタの耳朶を食み軽く歯を立ててくる。ピリピリとした痛みさえ気持ちよくて、悦楽で肌が総毛立つ。
「あ……、して……。めちゃくちゃにしていい、から……あ、んっ」
レオに壊されるのなら本望だ。心も身体も、壊されるならばレオがいい。
愚劣な妄執に囚われてしまうほど、アリエッタはレオを愛していた。生涯報われない愛だ。
──否。報われることは望んでいない。
アリエッタの望みは常にひとつ。レオの永劫の幸せだ。
「だからキミは….…」
なにかを言いかけるレオ。背に当たる肌や吐息の熱さが増した。
その熱を散らすようレオはアリエッタを離し、リネンに押し付け腰を上げさせる。
「もっと腰を上げて……そうだ」
レオに従い震える脚で身体を支え、リネンを握る。
「どうなっても知らんぞ」
レオが奥歯を噛み締めたと同時、猛烈に腰を振りたくってきた。
.