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隠匿の令嬢
第16章 灰色の世界
「ん…………」
いつの間にか眠っていたらしいアリエッタはひくりと瞼を震わせる。
髪を撫でる感触が心地好くて惰眠を貪りそうになるが、感触を辿って眼を開ける。
「悪い。起こしたか」
辺りは暗く、今が何時なのか解らない。だが窓から射し込む月明かりが、夜だと告げていた。
レオはきちんと正装し、寝台に腰掛けアリエッタの髪を撫でていた。
そういえば夜会に出掛けると言っていたと思い出す。
「もう、そんな時間?」
アリエッタが身体を起こしかけると、額に口付けられる。
「ああ。けどまだキミは寝てていい」
優しい声音と口づけに擽ったさを覚える。
「平気よ。見送るわ……そこまで」
肌に直接触れるリネンが裸だと思い起こさせ付け加えると、くすりと笑われる。
「立てるのか」
腰が砕けてしまいそうなほどの激しい情交を匂わされ、アリエッタは羞恥に頬を染めつつも頷いた。
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