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隠匿の令嬢
第17章 隠匿の決断




 涙が止まる頃にはすっかり陽も落ち、ランプが照らす邸内を歩く。


 部屋に戻るとレオがいた。


「帰ってたのね」


「さっきな。さすがに二夜連続のパーティーは疲れた」


 レオはソファーに背を凭れ、伸びをする。


 彼は二日前から王城に泊まり、明日カンターヌへ帰国するリンゼイの歓送パーティーに出席していたのだ。


 アリエッタも一夜目ののパーティーに招かれ、リンゼイに最後の挨拶を済ませてきた。


「明日から長旅になるんだから、お湯に浸かって早く休んだほうがいいわ」


「そうだな。じゃあそうするか」


 レオは立ち上がるとアリエッタの腰を抱く。


「どうしたの? 入浴……しないの?」


「するぞ。アリエッタも一緒にだが」


「えっ? わ、私も……?」


「当たり前だろ。ほら、早く行くぞ」


「え、ええ……」


 どぎまぎとするアリエッタをよそにレオは抱えるように浴室へとアリエッタを連れて行った。






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