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隠匿の令嬢
第17章 隠匿の決断
一度では終らない蜜事。アリエッタはいつもならとっくに理性を放棄し、根を上げる頃になっても、この日ばかりは理性にしがみつき自らも求めた。
「レオ……もっと……もっとして」
喘ぎ混じりに訴える唇をレオはぺろりと舐め上げる。
「どうした。今日はやけに欲張りだな」
触れ合う距離にあるレオの頬にそっと触れる。
「そう……なの。私、欲張りになってしまったの……」
アリエッタは瞳を潤ませ、微笑む。
このままレオの傍にいれば、熱だけでなく心まで欲してしまう。
「だから──」
言えない言葉をレオの唇に自らのそれを寄せ、遮った。
──これで最後にするわ。だから今日だけは……今日だけはレオを誰よりも感じさせて……。
過る彼女の涙に胸を軋ませつつ、アリエッタはやがて終わりのくる甘美なひとときに身を沈めていった。
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