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隠匿の令嬢
第17章 隠匿の決断
レオの傍にいられるなら、どんな形でもいいと思ってしまった。だがすぐにその考えは覆された。
妃を迎えたレオの傍にずっといられるわけではない。彼が時おりアリエッタの身体を求めやって来るのを待つだけだ。
指折り数え、待ちきれない日々を過ごす……。恋い焦がれる彼を。
だがそれも永遠ではない。今は若く瑞々しい肉体のアリエッタもいずれ衰える。
そうすればレオはアリエッタに飽き、通うこともなくなるだろう。別れを告げられるか、もしくは唐突に。
その絶望に耐えられる自信がなかった。
そしてリンゼイの気持ちを考えると、より耐える自信がなくなる。
愛しい夫が愛人の元に通う。隠していても夫の行動に気付かない妻はいない。
リンゼイがレオのすることに口出し出来る性格とも思えない。きっと辛さを耐え忍び、黙って送り出すのだろう。
彼女の純粋な愛をアリエッタは痛いほど解る。解るからこそ彼女に辛い思いをさせたくない。
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