この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第17章 隠匿の決断
アリエッタは迷った。レオにきちんと自分の気持ちを告げ、彼の元を去ろうともした。
けれど幸せの絶頂にいる彼に余計な煩いを感じさせたくない。それにレオはアリエッタの身体に執着しているようにも思えた。
簡単に事が運ぶとは到底考えられない。
だからアリエッタのすべきことは唯ひとつ。
黙って彼の前から姿を消す──。
そのために起こす行動も決めてある。
アリエッタが消えればレオとて愛するリンゼイを差し置いて探しはしないはずだ。
レオがラインハルトに戻る頃にはすべて片付いている。
いや、なにがあっても片付けなければならない。
アリエッタは止めどなく流れる涙を拭い。
その顔には決意が満ち満ちていた。
.