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隠匿の令嬢
第18章 王太子の過去


 椅子で小さな身体をさらに縮こまらせるレオの正面。カーラが腰に手を置いて、見下ろしている。


「レオナルド様?」


「……はい」


「今月に入って、お勉強の時間をサボられるの、何度目でしょうね?」


「いや……そんなにサボってないぞ?」


「そんなに!? 三度をそんなにとは言いません! そもそもサボること自体悪いことです!」


 カーラはぴしゃりと言う。


 それでもレオが口を尖らせていると、膝を折ってレオに視線を合わせてくる。


「……レオナルド様。レオナルド様がお小さく、遊びたい盛りだというのはカーラも重々承知しております」


 厳しい声色が一転、諭す優しい声色になる。鳶色の双眸も険が緩む。


「お勉強も愉しいものでなく、つまらなく思われているのも知っております。ですがレオナルド様。先生方がレオナルド様のために王城にいらっしゃって、レオナルド様のためにたくさんの時間を割いてくださっていることもご理解していただかなければ」






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