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隠匿の令嬢
第18章 王太子の過去
「ですからその後は、またお勉強されないと。レオナルド様はいずれこの国を背負っていかれるのですから」
国を背負うと言われても、まだ実感などない。ただ漠然とカーラの話を聞くだけだ。
「先生方も、そしてこのカーラもレオナルド様が大好きです。もちろんこのライルハルトという国も。私はお優しく聡明なレオナルド様がお創りになる国にとても期待しております。きっとレオナルド様がお治めになるならば、どんな治世より素晴らしい国になると信じております」
「俺は立派な王になれると思うか?」
「もちろんですとも。レオナルド様が身近な人や多くの民を愛する気持ちを忘れなければ、どんな国王さまよりも立派で、誰からも愛される王になれます」
単純にカーラの言葉が嬉しかった。
彼女は裏表のない人で、その言葉にも真っ直ぐさがある。
心からそう思って言ってくれているのだと、レオには解った。
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