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隠匿の令嬢
第19章 再起のとき


 確かに公爵が娘婿に対して行き過ぎた行動はあった。娘可愛さのあまりだろうが、詰り手を上げるのはやはり眼に余る行動だったろう。


 しかし彼が卑下するほど、愚かなこととは思えない。愛情からきているものだろうから。


 そしてアリエッタという孫娘のこともだ。彼はどうしてこの絵の作者を最初濁したのだろうか。


 孫が描いた絵ならば嬉々として語り、自慢してもよさそうなものだ。


 公爵の口振りからアリエッタを孫として可愛がっている。忌々しく思っていないなら、なぜ隠す必要があったのだろう。


 レオが公爵に探る視線を向けていれば、彼は哀しげな眼差しをレオに向けた。


「アリエッタは今から6年ほど前……あの子が7歳のときに妹のリリスに大怪我を負わせてしまいました。それからというものアリエッタは……婿に虐げられて生活をしております」


「自分の……父親から?」


 公爵はゆっくりと頷いた。





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