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隠匿の令嬢
第19章 再起のとき
「それは……難しいと思います。先程も申し上げたようにアリエッタには絵を描く以外の自由は赦されておりません。外部の者と逢ったことが知られれば、あれの父親になにをされるか……」
「そこまで制限が?」
「はい。この絵を描いてもらうにあたっても……アリエッタは肖像画は描けないからと断りましたが、少しでも自由な時間を与えたくて、絵を描かせる名目でこの邸に呼び、頼み込んで描いてもらったのですが……。お察しかもしれませんが、常にあの子は監視され、私以外の者と話さないようにされておりました」
他人の家の事情に口を挟むべきでないと解っていても、憤ってしまう。
このところ塞ぎこんでばかりだったレオに芽生えた強い感情だった。
「しかし殿下がどうしても、とおっしゃるなら手がないわけではありません。こちらのお願いばかり聞いてもらうわけにまいりませんからな」
「手……というのは?」
公爵は渋りつつも、レオに話した。
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