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第19章 再起のとき

　──俺は今までなにをしていた？


　レオはシンシアが亡くなってよりの己を顧みる。


　自分の殻に閉じ籠り、周りに心配ばかりかけ。与えられた役目さえ放棄しようとし。いつかカーラがレオに抱いた夢を無下にするところだった。


　だがアリエッタは──レオよりも年下で、それも女の子の彼女は置かれている環境に負けず懸命に生きている。


　辛くないはずなどない。彼女は父から虐げられる以前は普通の令嬢として教育を受け、不自由のない生活をしていたはず。


　それが不幸な事故により転落の一途を辿った。


　アリエッタは罪悪感や与えられる罰から逃れず、あの細く小さな身体で受け止め。


　それだけでなく公爵への気遣いまでしている。


　レオは自分の不甲斐なさに歯噛みする。そして決意した。


　自分のやるべきことを果たすと。






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