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隠匿の令嬢
第20章 アリエッタの愛
手紙に綴られているのは感謝と謝罪、それから溢れんばかりの愛だった。
レオの脳裏にこれまでアリエッタと過ごした日々が走馬灯のように駆け巡る。
ふとある瞬間で止まる。アリエッタを初めて抱いた翌朝。幸福に満ち満ち、現〈ウツツ〉と眠りの狭間で交わした会話。
『傍にいることが仕事』と言わなかっただろうか──?
──では……ではアリエッタは最初から……!
アリエッタの性格を考慮すれば、想像に難くなかった。
レオに抱かれることがアリエッタの仕事だと彼女は思ったはずだ。もちろんそんな意味ではなかった。
恋人として──そう言いたかったのに、アリエッタの肌の気持ちよさに眠気に誘われるまま従ってしまった。
一度巻き戻った記憶の欠片が、過去から現在へゆるゆると再生する。
見開かれたレオの双眸は小刻みに揺れていた。
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