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隠匿の令嬢
第20章 アリエッタの愛
「おわかりになられましたか? 我々はアリエッタ様がレオナルド様の想い人だからではなく、それぞれが敬愛し、お仕えしたいと心から思っているのですよ」
ジョシュアの告げる声に、レオの心が震えた。
──ああ……アリエッタは……。
彼女こそカーラの言葉を受け継ぐ人であった。口を酸っぱくし、言い続けられたレオよりも。
「どうか……どうかお願いします。私たちにアリエッタ様をお任せしてはいただけませんか」
ナキラが懇願し、皆も同じ思いでレオを見詰める。
レオは瞼を閉じる。そして再び開けたときには、迷いがなくなっていた。
「……俺は一度この邸を出て城に戻る。その間、皆にはアリエッタの捜索を頼みたい。よろしく頼む」
レオが頭を下げると、使用人たちはしっかりと頷く。
皆が早速行動に出ようとするのを、レオはナキラとキッシュのみ呼び止める。
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