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隠匿の令嬢
第22章 エピローグ
「お帰りなさいませ」
家令は美しいお辞儀をすると、朗らかな笑顔をアリエッタにも向けてきた。
「ああ。彼女をよろしく頼む。アリエッタ、あとで逢おう」
レオは口早に告げると、ツカツカと奥へと行ってしまった。この一週間、アリエッタを一時も離さなかったのが嘘のように。
呆気に取られるアリエッタを家令が「こちらへどうぞ」と促す。
「は、はい。あの、私は国王さまや王妃さまにご挨拶しなくてもいいのでしょうか?」
「それはのちほど。アリエッタ様にはあちらのお部屋でお待ちいただくよう、申し付けられておりますので」
「わかりました」
とりあえず待つしかないようだ。
アリエッタは以前にも使わせてもらっていた部屋に案内され、家令は部屋の扉を開けると立ち去ってしまった。
そわそわとした気持ちで奥へ進むと。
「アリエッタ!」
とても懐かしい声が耳に入った。
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