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隠匿の令嬢
第22章 エピローグ



「出来た……。アリエッタ、こっち来て」


 ニーナは道具を置くとアリエッタを姿見の前まで連れてくる。


 鏡に映ったのはレースをふんだんにあしらわれる純白の豪華なドレスを纏う自身の姿──紛れもなく花嫁衣装を着たアリエッタだった。


「とても似合ってる……。アリエッタもそう思うでしょ?」


「ニーナ……。なんで……私……」


「鈍いわね。アリエッタは今日、レオナルド様と結婚式を挙げるのよ」


「け、結婚式……? 今日?」


 アリエッタも着せられているのがウエディングドレスだというのは解る。解るが混乱していて状況を呑み込めない。


「そうですよ。レオ様の元にアリエッタ様が見付かった報せを受けてから、式の準備を進めておくようにおっしゃっられました。各地に散っていた邸の者も集めるように、って」


「連れ戻せなかったり、断られる可能性とか考えないのかしらね、あの方は」


「ないんじゃないですか? 信念を通り越して執念ですよ、これはもう」


 呆れるように話すニーナと、クスクスと笑うナキラの話に頭が徐々に理解を始めた。







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