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隠匿の令嬢
第22章 エピローグ
不意にアリエッタの身体がふわりと浮き、目前に迫る美貌がアリエッタに熱く口付ける。
そうして抱き抱えられたまま寝台に連れてこられ、アリエッタの背中にあるドレスの紐をレオがほどこうとするも、アリエッタは止めに入った。
「さっきの王妃さまの話……聞かせてくれない?」
胸を押して告げると、レオは眉根を寄せる。
「あれはもういいだろ。済んだことだ。それより初夜だぞ? これ以上待たせるな」
初夜という言葉に顔が熱くなるが、やはり気になってしまう。
「聞かせて?」
もう一度懇願してみると、レオは小さく嘆息した。
「……学校を卒業したらすぐキミと結婚する予定だったんだ。まぁ……カンターヌへ行くことになったから、正確には帰ってからだがな」
「予定って……。そんなこと一度も話してくれてなかったのに……」
「だからあのときも驚かせようとだな……。とにかく、アリエッタが俺の妻になるというのは、前から決まってたんだ」
言い捨てるように言われ、アリエッタはポカンとしてしまう。
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