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隠匿の令嬢
第3章 肉食獣は紳士の仮面を被る
どうやらアリエッタは恐ろしい勘違いをしていたようだ。単位は秒ではなく回で。そんなの聞いてないわと言おうとしたが、今度は首筋に唇が触れた。
「や……だめ! んぁっ」
首筋はやわやわと食まれ、上へと舐めあげられる。その感触から逃れようと顔を背けるが、首筋をさらに晒す羽目になっているのだとアリエッタは知らない。
「言っておくが唇が離れるまでが1回分だからな」
レオは肌に触れさせたまま喋る。
だったら離れてしまえばともがくも、肩を抱かれているのだからそれも出来ない。
舌と唇が肌を這い、それと同じくしてゾクゾクとしたものが背筋をのぼる。
「んっ……」
下唇を噛んで未経験の感覚に堪えていれば、レオの指がアリエッタの胸元のボタンを外し始めた。けれどアリエッタの神経は首筋に集中していて瞼も閉じているものだから、肩からするりとドレスが落ちるまで気が付かなかった。
違和感を覚えて薄く開かれた瞳で見下ろし、自分の置かれた状況に、一瞬頭が真っ白になる。
くすんだ灰色のドレスで覆われていたはずの肌は、薄手のシュミーズドレスが覆うだけになっていた。
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