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隠匿の令嬢
第4章 巣を追われた灰ネズミ
自分が描いたレオを見るたび、浴室でレオがつけた痕を見るたび、レオを思い出すだけで下肢の疼きがありありと戻ってくる。
それはアリエッタの肉体が悦びを覚えてしまった証拠に他ならない。
どうして疼くのか最初解らなかったが、耳にした侍女の話を不意に思い出した。
恋人との情事の話だったか、腹部だか下肢だかがゾクゾクするわと、キャーキャーはしゃぎながら話していた。
その時は幼くて意味をきちんと理解していなかったアリエッタも、自らが体験したことでようやくその意味を知って。
悦びにうち震える肉体の罪深さが苦しくて、毎朝礼拝堂で贖罪を求めるのも躊躇われるくらい。
きっとまたレオに求められたら拒みきれない気もする。心の奥底に押し込めたはずの女としての欲望は、レオの前だといとも簡単に暴れだす。
彼に口づけられる資格すらないのに。
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