この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第4章 巣を追われた灰ネズミ


 覚束無い足取りで世話になった寮母や学校従事者にどうにか挨拶をし、夕陽に照らされる外観を暫く眺め。


 バッグひとつとレオが贈ってくれた手付かずの画材が身体を重くさせるも、よろよろと校舎へと戻り、また外観を眺める。


 半年ほども早く終わりを告げた学生生活。もう二度と戻れないだろう校舎へ一揖する。


 ニーナがこのことを知ったら目くじら立てて怒るだろうな、と想像したら虚しい笑いが漏れた。


 そのあとは礼拝堂や絵で描いた場所へと自然と足が向く。結局回れていない所のほうが多かったなと、寂しげに瞳を揺らす。


 アリエッタがなぜ思い出を辿るよう敷地を回っているか。それは住む場所を失ってしまったら、学校に通うなんて贅沢はしていられないから。


 運良く住み込みで働けるところを見付けたとしても同じこと。


 見つからない場合は、自分が行くはずとなっている修道院を訪ねるしかない。話は通っているらしいし、時期は早くても修道院なら受け入れてくれるだろう。


 どっちにしろ学校はやめる羽目になるが、まずは今夜を明かす寝床をどうにかしないと。






.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ