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Re:again
第1章 【夢をみること】
夢をみた―
彼が私の上に跨がっている
愛を交わしている最中のひとこまのように思えるのだけれど
実際は違う
私の心だか魂だかはふわふわ
彼の傷んだ髪の毛の毛先をしゃらんと滑り
つむじのあたりをただじっと眺めている
つむじがちょっとだけ不恰好で、胸が甘く疼く
そんな風に
彼の好きだったところを数え上げたらきりがない
そんなことをしても
何の意味もないことを
‥わかっているのに
痛々しい拡張されたピアスの穴の数々
そんなものをひとつひとつ塗りつぶすように確認し
泣きたくなる
叫び出したくなる
それと同時に
ああ、これは夢だ
また同じ夢を繰り返しみている
なんと執念深いことだろう、と
我ながら情けなくなる
いったいあれからどれくらいの年月が流れたと思っているのだ
彼がまだ、あのピアスを付けているはずなどない
私の左耳に揃いのピアスがないのと同じように―
私の腹の上で
彼の肩が大きくぶるりと震える
私の首を締めていたその手を離した
白い欲の代わりに
彼の頬から滑った涙もどきが私の頭上に降り注ぐ
彼は小さく呻いた
何度も 何度も
そして、
私は一度も泣かなかった
彼が私の上に跨がっている
愛を交わしている最中のひとこまのように思えるのだけれど
実際は違う
私の心だか魂だかはふわふわ
彼の傷んだ髪の毛の毛先をしゃらんと滑り
つむじのあたりをただじっと眺めている
つむじがちょっとだけ不恰好で、胸が甘く疼く
そんな風に
彼の好きだったところを数え上げたらきりがない
そんなことをしても
何の意味もないことを
‥わかっているのに
痛々しい拡張されたピアスの穴の数々
そんなものをひとつひとつ塗りつぶすように確認し
泣きたくなる
叫び出したくなる
それと同時に
ああ、これは夢だ
また同じ夢を繰り返しみている
なんと執念深いことだろう、と
我ながら情けなくなる
いったいあれからどれくらいの年月が流れたと思っているのだ
彼がまだ、あのピアスを付けているはずなどない
私の左耳に揃いのピアスがないのと同じように―
私の腹の上で
彼の肩が大きくぶるりと震える
私の首を締めていたその手を離した
白い欲の代わりに
彼の頬から滑った涙もどきが私の頭上に降り注ぐ
彼は小さく呻いた
何度も 何度も
そして、
私は一度も泣かなかった