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Re:again
第3章 【肥やし系年下男子】
*****
帰宅すると大男の死体が畳の上に転がっていた。
玄関先に並べられたビーチサンダルで予想はしていたけれど。
『葵、風邪引くよ』
身長190cm。肩まで伸びっぱなしのうねうねライオンヘアー。金髪。女顔。
イクラに星マークが描かれたような某アニメの目が覚めるようなオレンジ色のTシャツに、ショッキングピンクのハーフパンツを合わせた部屋着スタイルで葵が寝転がっている。
私の声にぴくりともしない。
『あーおーい。おい。葵ちゃ~ん』
ぺしぺしと端正な顔を叩くとふるふると目蓋が震えた。
「‥おかえりなさい。みちるちゃん…」
ふんわりと笑う。
身体を傾けた拍子に、Tシャツの背中に“天下一”と描かれていることに気づく。
いつの間にアンタ、武道会出たんや?
「‥飲み会、楽しかった…?」
飲み会、という単語にわずかに肩が上がる。
葵には同窓会のようなものだと伝えてあった。
まさか本当に幼なじみに再会するとはね‥。
後ろ暗いことなんてないはずなのに、どうして合コンであることを隠してしまったのだろう?
あふ、あくびをしながら頭を掻く葵。
私もその髪に触れる。
頭を撫でられると葵は嬉しそうに目を細める。
家主の居ぬ間に部屋に侵入するこの男は大家の孫。つまり、私の遠縁に当たる。
バイオテクノロジーを専攻する大学2年生。
今年、20歳になる。
私がこのボロアパートに移った時はまだ可愛い中学生だった。
かつて、家出中の葵を部屋に招き入れて以来、妙になつかれてしまった。
ことあるごとに部屋に入り浸っている。
大家のスペアキーを乱用するところは褒められたものではないけれど、通い猫のようにやって来る葵を私は嫌いではない。
人嫌いな私が唯一、侵入を許す人物だ。
『別に、普通』
キッチンを覗くと、野菜が積まれた段ボールが目に入った。
歓声を上げる私。
「‥松山のおじさんがみちるちゃんに持って行けって…」
帰宅すると大男の死体が畳の上に転がっていた。
玄関先に並べられたビーチサンダルで予想はしていたけれど。
『葵、風邪引くよ』
身長190cm。肩まで伸びっぱなしのうねうねライオンヘアー。金髪。女顔。
イクラに星マークが描かれたような某アニメの目が覚めるようなオレンジ色のTシャツに、ショッキングピンクのハーフパンツを合わせた部屋着スタイルで葵が寝転がっている。
私の声にぴくりともしない。
『あーおーい。おい。葵ちゃ~ん』
ぺしぺしと端正な顔を叩くとふるふると目蓋が震えた。
「‥おかえりなさい。みちるちゃん…」
ふんわりと笑う。
身体を傾けた拍子に、Tシャツの背中に“天下一”と描かれていることに気づく。
いつの間にアンタ、武道会出たんや?
「‥飲み会、楽しかった…?」
飲み会、という単語にわずかに肩が上がる。
葵には同窓会のようなものだと伝えてあった。
まさか本当に幼なじみに再会するとはね‥。
後ろ暗いことなんてないはずなのに、どうして合コンであることを隠してしまったのだろう?
あふ、あくびをしながら頭を掻く葵。
私もその髪に触れる。
頭を撫でられると葵は嬉しそうに目を細める。
家主の居ぬ間に部屋に侵入するこの男は大家の孫。つまり、私の遠縁に当たる。
バイオテクノロジーを専攻する大学2年生。
今年、20歳になる。
私がこのボロアパートに移った時はまだ可愛い中学生だった。
かつて、家出中の葵を部屋に招き入れて以来、妙になつかれてしまった。
ことあるごとに部屋に入り浸っている。
大家のスペアキーを乱用するところは褒められたものではないけれど、通い猫のようにやって来る葵を私は嫌いではない。
人嫌いな私が唯一、侵入を許す人物だ。
『別に、普通』
キッチンを覗くと、野菜が積まれた段ボールが目に入った。
歓声を上げる私。
「‥松山のおじさんがみちるちゃんに持って行けって…」