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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ

「ヘイ、小百合。君は本当にサッカーの事を何も知らないのかい?」
「えぇ。ってかサッカー好きなら、貴方の事も知ってたはずよ。」

「ソレもそうだけどー・・。移籍金っていうのは・・

例えば僕を例に出すね。僕は今のチームに入る前、バーゼルナというアルゼンチンのチームに一年だけ居たんだ。でも、試合をたまたま見に来てた今のチームのスカウトマンに声を掛けられた訳。

そのまま引き抜いたら、バーゼルナが怒るだろう?
"こっちは三年契約で引き抜いたのに
なんで一年しか経ってない時に引き抜く!"って。

で、それを解決出来る唯一の方法が"移籍金"だよ。

アーセがバーゼルナにお金を払って解決する。
そして、そこで得たお金を使い、バーゼルナはまた違うチームから選手を引き抜いてくるー・・。

移籍金っていうのはチームに払うお金だね。
流れとしては、こういう感じだよ。」


「へぇ~凄く分かりやすい!」

思わず後ろを向いて、手を叩いてしまう。拍手出来るくらいの分かりやすい解説だった、本当に。


つまり、柳沢を
300億円近くの価値がある男だと思われたのだろう。

今所属しているチームの人間にー・・。


「そう思ったら、柳沢はすごいんだね。」
「あぁ。移籍金額ナンバーツーだよ。」

「ナンバーワンは?」



「僕さ」

何食わぬ顔でそう言われて度肝を抜かれそうになる。一体幾ら払ったんだろう・・?


「金額は聞かないでおくわ。今の距離が保てなくなりそう。」

「え?」


「ハンソン、貴方は確かにサッカー選手。
だけど、私の中での貴方はスターじゃなく、一人の生身の人間よ。金額を聞いたらー・・気を使ってしまいそうだもの。今の距離感を保つためにも私は貴方の"価値"を知らない様にする!」


「小百合・・。本当に君はクレイジーだ!」


ほっぺたをつねられながら笑われる。何が面白いのか知らないが目の端にうっすら涙も溜まっていた。


「だけどー・・こんな女性ははじめてだよ。
凄く楽しくて、新鮮だ。」


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