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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ



最悪。

部屋から出てきたのは真っ黒に金色のラインが入っているアディダスのジャージを来たアイツだった。

私もアディダスだから・・やめてほしい。
できる事なら「脱いでこい!」って言いたい位だった。


「さっきはありがとう。」

「はぁ?何が?」


「話合わせてくれたやろう。初対面っていう事で・・」
「あー別に。あんたの為じゃない。」

久しぶりの日本語で変な感じだ。


しばらく無言だったけど、エレベーターが到着した時に、ふと聞きたい事が浮かんだ。

何気にボタンを押してくれる彼に頭を軽く下げながら少し離れて立つ。


「そういえば、ここに泊まってるん?」
「違う。前のチームで一緒だった友達があの部屋に泊まってたから、部屋で飲んでた」

「・・へぇ。」


「っつーかさ」

「ん?」


「あんた、本当に声が大きい。喘ぎまくってるのすげー聞こえてた」
「うそやね。カマかけないでくれる?私はあの部屋に一人で居たし。第一、こんなに立派なホテルの壁がそこまで薄い訳ないやろう。」


「出たよ、強情な所が。俺の嫌いな所。」

「ー・・っ!別に嫌われても良いし。」


「じゃあさ、あんたちゃんと説明してよ。

その首もとに何個もついてる痕と・・
微かに香るハンソンと同じ香水の香り・・。」


「え?!痕?!・・うそ・・どこ?」





「嘘だよ、ばーか。焦るって事は心当たり大有りって言ってるのと同じだよ。ったく、アバズレだな。」



「アバズレ・・?」


「あぁ。何でハンソンと知り合いなのかはしらねぇけどあの感じだと初対面だろ?華やかな世界に憧れてホイホイついていって、セックスかよ。」


嘲笑うかの様な態度を取られて、ムカッときた。顔には出ていないだろうけど。


「お気楽なもんだよな。普通にしてて、みんなが憧れてる芸能人と知り合えてるんだもんな。」


カチーンときた私は、あくまでも顔は笑顔を保ちながら勢いよく右手をあげた。

柳沢の左ほほ目掛けて、手を伸ばした時・・


がっつりと腕を捕まれ壁際に押される。


「な・・なによ」

「蓮の気持ち考えてやったら?
中途半端に連絡とってる癖に、違うやつと遊んでんじゃねぇよ」


綺麗な顔を近付けられて、低い声でそう呟かれた。


少し怖かった。
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