この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第5章 情熱とは熱しやすく冷めやすい
柳沢がどれだけすごいのか分からないけど、柳沢以上の価値を付けられたのがハンソンだー・・。純粋にゴールを見ていてもすごいと思った。ボールが足と引っ付いている様に、華麗に敵から逃れ、シュートを目指している。
「あ、あなた名前は?」
「小百合よ。」
「私はブリトニー。よろしくね。」
「こちらこそ。」
少し遅れたがお互い挨拶を交わして、スタッフの方が持って来てくれたアイスティーを一口飲んだ。
「でも、あなたは凄くハッピーよ。この試合のチケット、後ろの方でもすごい値段で落札されているのよ」
「そうなの?!」
「えぇ。倍率もすごいのよ。ボックス席に誰かを招待できるのも、チームの中で権限を持っている人だけだったらしいわ。」
ベンチの人は誘えないー・・それ以前に、チームでそんなに活躍していない人も。って事か。なんとも皮肉なんだろう。
「あなたの隣の男性達は、スターだから。誰の誘いとかでもないでしょうけどね。・・後ろの三席が気になるわ。」
「確かにそうだね。」
「ほら、見て。光よ。特集されてる。」
テレビを見る様催促されて、目を移した。
青色のユニフォームを来た柳沢が、ハンソンと劣りを取らないくらいのテクニックで、ばんばんゴールを決めている。
"日本の侍です。これが、日本の侍なんです!"
息の荒い声で、そういっている解説を聞くと、笑いそうになった。確かに日本といえば、侍だけど、柳沢はまた違う。
そこで、ふと画面が変わり
生中継だと思われるインタビュー動画が流れる。
スタジアムの大きなテレビ、三台も同じ映像が流れていた。
ハンソンが軽く手をふると、沸き上がる歓声と拍手。それに何処か圧倒されてる自分が居た。