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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第5章 情熱とは熱しやすく冷めやすい
"へーい!この試合・・難しくなると思う?"
「そうだね~何しろ、ハンソンが居るからね。守備軍は本当に強いから中々割れないし、攻撃陣もスキルもあれば咄嗟の判断力がある。・・この前の親善試合で負けた分、アーセにはしっかり勝ちたいよ。」
"なるほど。挑戦したい事は?"
「ハットトリックかな。初戦で勝って・・ハットトリックって・・最高でしょ?」
"それは最高だ!あ、このリーグに思い入れみたいなのはある?"
「どんな試合にも、リーグにも思い入れはないよ。
でも、一戦一球、魂を込めて死ぬ気で試合している。」
"君らしい答えだね。じゃあこの試合にも何も思いはない?"
「とりあえずは勝ちたい。そして、ハンソンの好きな女性っていうのはー・・」
ここで、観客の熱気が一気に上がる。
「僕の親友の好きな人なんだ。その親友のためにも、この試合に勝って、彼の思惑を阻止したいね。」
「すごいわね・・小百合」
とブリトニーに呟かれる。
フゥー!という声や口笛が鼓膜が破れそうだ。
後ろで遥くんと、響も大笑いをしている。
外国人が好きそうな展開だ。でも"僕も好きなんだ"っていう三角関係にならなくてよかった。そんな風になったらもう、この席にはいられないだろう。知る人はブリトニーがマークスの彼女だと知っているだろう。そうなればー・・必然的に二人の天才に恋心を寄せられているのは私という事になる。あり得ないけど、まだ蓮の事で・・良かった。
隣の男性二人までもこちらを見て、親指を立ててきているのだー・・本当にハンソンはやってのけてくれる。
本当に泣きそうになっているとテレビは、このスタジアムの中継に切り替わり、凛々しい音楽が流れてきた。
先程の流れからの、選手入場ー・・。
しかも初戦・・。
怪我人が出るんじゃないかな?と心配する位のヒートアップぶりだ、観客の人達は。