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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第5章 情熱とは熱しやすく冷めやすい
力なく、席に座り込むと、ブリトニーに声を掛けられる。
「ちょっと!何処行ってたの?」
「色々とねー・・」
「あなた、その顔と服ー・・何かあった?」
ワンピースは強引に足を開かされたり
めくられたりしたせいか、ぐちゃぐちゃで、お腹の辺りがほんのちょっとだけ破れていた。
「何もないわよ。ごめんね、心配かけて。」
不安そうな瞳にシャキーラを被せる。会いたい、彼女に。彼女なら何も言わずに抱き締めてくれただろう。
かける言葉がない、と言う様な顔の彼女をよそに、私ははじめて、隣の男性二人組に話しかけられた。
「これ。渡してくれって頼まれたんだ。」
と手渡されたのは、さっき頭に投げられたジャケット。
「白川遥と言っていたよ。」
「ーー・・っ。」
もしかして、何があるのか予想してたのかな?
「大丈夫だよ、小百合。神は君に、最高の幸せをプレゼントしてくれるよ。」
何となく、今の状況を理解してくれたのか優しそうな笑顔で、そう言って頭を撫でられー・・安心して涙が出そうになった。
私の名前は、ブリトニーと会話でわかったのかな?
私は、確かに感じていた。
セックスは気持ちよかったし、蓮のあえぎ声に興奮もした。
だけど最後の中だしで全部パーだ。
あそこで外に出しててくれればー・・まだ"独占的強いんやから"って言って笑えてたと思う。
でもー・・中に出すのはよくない。
どんな事情があっても。遊んではいるけど、それを頑なに貫いて来た私だったので、どうもこんな気分になってしまった。
「ありがとうー・・。」
破れた部分を隠すため、少し大きめのジャケットを羽織、ボタンをとめる。
「そういえば、ブリトニー。」
「ん?」
「試合ー・・どっちが勝ったの?」
「アディショナルタイムで柳沢が点を決めて、引き分けで終了よ。」
「そっか~・・。」
「大丈夫。ハンソンは必ず勝てるわ。
だってマークスも居るんですもの。」
可愛らしいえくぼを見せて笑われると
私も笑顔になった。
そして、ドーム内の観客がほとんど帰ってからボックス席の私たちは帰る支度をした。
ブリトニーと連絡先を交換する時に携帯を見たが、何も連絡は来ていない。帰っていいんだろうかー・・?